香港のデモ

香港で話題になっているデモは、Wikipediaでは「2019年香港民主化デモ」といわれている。

このデモは、逃亡犯条例改正案を発端に2019年3月から起きた。

デモを行う学生を中心とした香港の一般市民に対して、

警察が警棒で思いっきり叩いたり、蹴飛ばしたり、催涙スプレーをかけたりなど

暴力的なシーンがニュースで何度も報道された。

10月23日、香港政府は正式に改正案を撤回した。

しかし、暴力的なやり方をしてしまった以上、状況がすぐに収まるとは言えないだろう。

政府はどのようにして、香港市民の信頼を取り戻していくか、

また、今後はどのように中国は香港の政治に介入していこうとするのかが、今後の焦点になっていくと思う。

ところで、そもそも逃亡犯改正条例とは何なのだろうか。

それは、ある事件をきっかけに発令された。

その事件とは、2018年2月、香港人の陳同佳(チャン・トンカイ)という男が台湾旅行中に交際相手の女性を殺害したというもの。

陳氏はその後、香港に逃亡したが、台湾政府は身柄の引き渡しを要求。

しかし、香港と台湾では容疑者引渡しの条約がむずばれていない。

だから、容疑者は台湾で犯罪を犯したにも関わらず、容疑者は香港にいるので裁けないというわけだ。

それでは、香港人は台湾や色んな国で犯罪し放題になってしまう、というわけで考えられたのが逃亡犯改正条例。

この条例が可決されれば、香港人が犯罪を犯した場合中国本土に身柄が引き渡されることになる。

中国では、犯罪者に対して拷問が行われることもあるし、

犯してもない罪をふっかけられることもある。

もし条例が通れば、香港人も拷問されたり、簡単に犯罪者にされる可能性だってある。

しかし、それ以上に香港人が絶対に避けたいと考えているのは

香港が中国に吸収されてしまうことなのだと思う。

だからこそ、香港の一般人はあれほどまでに激しくデモを行ったのだ。

そんなデモが功を奏してか、10月23日、香港政府は正式に改正案を撤回した。

撤回するまでの約四カ月間、警察は学生を中心とした一般市民に暴力をふるった。

警棒で叩き、膝蹴りをし、電車の車内に催涙スプレーを撒き散らした。

死者も出た。

撤回されたことは1つの節目ではあるかもしれないが、

事態は全て解決されたとは言えないだろう。

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